キミと迎えた2回目の夏
*ある日*
7月上旬。
今は、昼休みとあってガヤガヤとうるさい教室。
そんな中、私は制服の第1ボタンを開けて、うちわ代わりに下敷きでパタパタと仰いでいた。
つい最近、じめっとした梅雨が終わったかと思えば、すぐに蒸し蒸しとしたこの暑さだ。
職員室では、エアコンがガンガンと効いているくせに、教室にはエアコンも扇風機も涼しくなるようなものは何一つ置いていない。
経費削減のためだとかなんとかの理由で。
そのため、教室の窓は全開になっているけれど、ちっとも風が入ってくることはなく、ミーンミーンとうるさい蝉の鳴き声が聞こえてくるだけ。
下敷きを仰いでいる手がだんだんと疲れてきてしまった。
「はぁ‥‥‥」
何度目か分からない溜息を漏らす。
なんで、夏ってこんなにも暑いんだろう?
不思議でたまらない。
パタリと仰ぐのをやめた私は、机にベタっとうつ伏せになった。
暑すぎてもう力が入らない‥‥‥。
どうにもこうにも暑さに弱い私の身体は、夏には向いていないようだ。
そんな私とは違い、夏の暑さをもろともしないような元気な声が響いた。
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