キミと迎えた2回目の夏
「いるの? いらないのどっち?」
颯太は、悪戯っ子のような顔を浮かべてわざと聞いてくる。
本当は、私の気持ち分かってるくせに。
「いる!」
即答で返事をすると、颯太は袋から取り出しパピコをパキッと半分に割ると1つを私に差し出してくれた。
「はい」
「ありがとう、颯太」
アイスを受け取った。
フタをとると、さっそく口に含む。
その瞬間、ひんやりと冷たいアイスが口の中に広がった。
「ん〜! 美味しい! 生き返った!」
「大袈裟だな」
「いいじゃん!」
「まぁ、それが梨紗らしくていいんだけどね」
そう言って、彼もフタを開けるとアイスを口に含んだ。
それからしばらくアイスを半分以上食べた頃、私は手に持っているアイスを見つめた。
「ねぇ、颯太」
「ん?」
「去年もこんな感じだったね」
私は、あの日のことを思い出すかのようにそう言うと彼も頷いた。
「そうだな」
そう言って、颯太も手に持っているアイスを見つめた。