ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました
「本気で寝ていると思った?」
上体を起こした進藤さんに、ぐいとベッドの上に引き上げられる。
私の体格なんてものともしない力は、さすが男性と言うべきか。
あっという間に横にされた私を上からのぞきこむ進藤さんの視線に、溶かされそうになる。
照明を消し、熱いキスをしながら、バスタオルを剥いだ進藤さんの手が私の体のフォルムを確かめるように動く。
「ねえ、お腹はだめ」
お腹周りを触られて咄嗟に叫んでしまった私に、彼は濡れた唇で優しく言った。
「フワフワしていて気持ちいいよ。太ももも二の腕も、どこもかしこもマシュマロみたいだ」
暗いからなのか、彼がそう言ってくれるからか、緊張で強張っていた気持ちが徐々に柔らかくなっていく。
神速、神業と言われるオペをする手が、私をゆっくりゆっくり優しくほぐしていく。
いつの間にか私は、自分が太っているということをきれいさっぱり忘れていた。
ただ、私を愛してくれる人のすべてを受け入れようと必死だった。
裸になった途端に彼が萎えてしまったら……なんていう心配は杞憂にすぎなかった。
私が気にしすぎていただけで、彼はいつも通り、いや、いつもよりもっと優しく私を扱ってくれた。
進藤さんは、私を丸ごと愛してくれているんだ。
そう実感できて、彼の腕の中で泣いた。胸が炙られたように熱かった。