ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました
慌てて病棟からオペ室へ患者を搬送する。オペ室は三部屋あり、事前に指定された一番ルームの前に到着した。
部屋の前にあるインターホンを押すと、ほどなくしてオペ室の看護師が出てきた。
プラスチックエプロンにプラスチックキャップ、ゴーグルと、完全防護の姿だ。
「外科病棟です。よろしくお願いいたします」
「外科病棟? 患者さんの名前は?」
むっつりした看護師に、患者さんのリストバンドを確認してもらう。
「ええ? この方は三番ルームでしょ?」
「え、でも予定表に一番って」
「緊急が入って変わったの。病棟に連絡したはずだけど」
そうなの? でも、病棟の事務員さんはなにも言ってなかった。いつも連絡を忘れることなんてない人なのに。
「すみませんでした。連絡が行き届いていなかったみたいで」
謝っている途中で、一番ルームの扉をピシャンと閉められてしまった。
うわあ、感じ悪い。いや、オペ室看護師っていつもピリピリしてるもんね。間違ったこちらが悪いんだし。
不運なことに、三番の部屋だけは少し離れたところにある。
看護補助者さんと一緒に三番ルームの前にベッドをつけ直していると、待ち構えていたようにドアがすっと開いた。