ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました

「最近元気がないな。この前怒ったこと、気にしてるのか?」

 ベッドの中で、進藤さんが裸の私を抱き寄せて言った。

「あれは私のミスだから」

 そんなことは気にしていない。

 それよりも、福田さんたちとほぼ毎日顔を合わせないといけないと思うと、気が重かった。

「我慢できる」と「普通に過ごせる」状態は雲泥の差があるのだ。

「結婚したら、看護師辞めようかな」

 仕事は好きだけど、人間関係に疲れた。

「……それは千紗が決めればいいと思うけど。俺は、仕事を続けることを反対はしない。家のことなんて適当でいいし、一緒にやればいいんだから。俺が支えるよ」

 彼は私が仕事と家事の両立で悩んでいると思っているのだろうか。それとも、すべて見透かしているのだろうか。

「はい。ゆっくり考えます」

「俺にできることがあれば、なんでも言ってくれ」

 うなずいた私を、進藤さんがぎゅっと抱きしめ、優しくキスをしてくれた。

 彼の体温で、じんわりと心の疲れが癒されていくような気がした。

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