ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました

 とりあえず、仕事中は進藤さんとふたりで話したりすることはやめた。

 どこで誰が見ているかも、誰をいつ敵に回してしまうかもわからないからだ。

「私、今ちょっぴり人間不信かも」

「やだー、千紗さんどうしたんですか」

「千紗ちゃん、痩せたと思ったら悩んでたのね。いつでも話聞くよ?」

 昼休憩のときに思わず愚痴ってしまったら、先輩後輩同期、みんなに心配されてしまった。

 みんな、私が痩せたのをストレスが原因と思っているのかな。ダイエット宣言してたはずなんだけどな。

「そういえば、恋をしていた相手とはどうなったの?」

 師長がサラッと爆弾を投下する。

「え、あの、その」

「結婚するときは早めに言ってね。人事部に出す書類、色々あるし。式をするならシフト調整するから」

「あはは。実は婚約までは済んでるんですけど、なかなか結婚の日取りが決まらなくて」

 入籍は一か月後の私の誕生日にしようかと進藤さんは言っている。

 お互い仕事が忙しく、彼のご両親の意向もあるので、結婚式がどうなるかがまとまるのはまだ先になりそう。

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