ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました
その日の仕事は順調に終わった。スマホを見ると、進藤さんから【もう少しで終わりそう】と連絡があったので、近くのコンビニで時間を潰すことにした。
院内にもコンビニやカフェ、レストランなどがあるが、どこに敵が潜んでいるかわからないので遠慮した。
敵というのはもちろん、中華レストランで遭遇した研修医とオペ室看護師ズだ。
「お疲れ様、高場さん」
「あっ谷口さん。お疲れ様です」
更衣室を出ると、制服を入れるランドリーボックスの前で谷口さんに会った。
「ダイエット順調みたいですね。なんだか服も変わったみたい」
「へ、へへ。そうですか? 今までだらしなさすぎたので、気をつけようと思って」
「かわいいです。どこでいつも買い物するんですか?」
立ち話していると、私たちの間から無遠慮な手がにゅっと伸びた。使い終わった看護師の制服が握られている。
思わずのけぞって手の主を見ると、福田さんだった。
「そんなとこで立ち話したら、みんなの邪魔なんだけど」
「す、すみません」
優しい谷口さんは素直に謝った。