ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました
「そんなのつけたら、あっ……。た、佑さん」
更衣室で制服に着替えるとき、下着姿になる瞬間がある。
そのときにキスマークを見られるのは、さすがに恥ずかしい。
照れくさかったけど、なんとか彼の下の名前を呼んだ。すると彼は満足そうに微笑んだ。
「君は俺が最初に見つけたんだ。これからもずっと、俺だけのものでいてくれ」
返事はいらないと言うように、彼は私の唇を貪った。
私たちはそのまま、ベッドの上で抱き合った。
何度も、お互いの体温を確かめ合うように。
数か月後。
「まああ、高場さんきれいだわ!」
ゲストの前に登場した私に、師長が声をかけてくれた。
今日は私と進藤さん……じゃない、佑さんの結婚式。
原研修医の事件の翌日、私たちはそれぞれの両親に報告し、婚姻届を提出した。
『これで誰もうかつなことはするまい』なんて言い、佑さんは満足そうだった。
人事部に結婚の届けを出した私は、翌日から名札を『進藤千紗』に変えて出勤した。
最初に報告した師長も驚いていたけど、同僚の看護師たちの驚きは半端じゃなかった。