ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました
「いいな。なんなら、明日一緒に見に行こう」
「は、はい」
じゃあ、このディナーも明日でよかったのでは……と少し思う。
進藤先生はそんな私の思考を読んだかのように言った。
「君といると癒されるし、心から安らげる。それにこんなに誰かを好きになったのは初めてなんだ。だから少しの時間でも、一緒にいたい」
他人の悪意でささくれだっていた心を、優しく撫でつけられたような気がする。
ほわほわと温かい光の玉が、胸の中に浮かんで増えていく。
進藤先生は、私のことを受け入れてくれる。認めてくれる。それがとてつもなくうれしくて、目頭が熱くなった。
「ありがとうございます。そんなこと言ってくれるの、先生だけです」
先生の優しさに泣きそうになる。
お礼を言うと、進藤先生は苦笑して言った。
「その先生っていうの、ふたりのときはやめないか」
「で、でも」
ずーっと先生だったんだもの。やめたら、なんて呼べばいいの?
「し、進藤さん、で、いいですか?」
「ん……まあ今はまだいいか。正直、不服だけど」
いや、いきなり名前呼び捨てとか絶対ムリですからね。
そのうち慣れたらできる……かな?