ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました

 休み明けの病棟はいつにも増して忙しい。

 土日に緊急入院した全然知らない患者が増えている。

「ええと、一昨日から調子が悪くて、救急外来に来られて、そのときの検査の結果で入院になったんですね」

 血圧と体温を測定してから詳しく話を聞こうとすると、五十代の男性患者──名前は大村さん──は突然怒り出した。

「何回も同じことを聞くな! お前たちはいつもそうだ!」

 びっくりしてカルテを見ると、注意事項のところに『待ち時間などでトラブルあり。対応に困る方』などと書かれている。

 つまり、いつも病院に対して不満があり、高圧的な態度で来るらしい。

「申し訳ありません。今後の治療に間違いが起きないように、確認させていただいておりますので。ちなみに、今日の具合はいかがですか?」

「もうなんともない。痛くないし、採血も点滴もやりたくない。仕事があるから帰りたいんだ」

 記録を見ると、大村さんは真夜中に胸痛を訴え、家族が呼んだ救急車で来院している。

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