ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました
「大丈夫だって。とにかく、先生に早く帰してくれって言ってくれよ」
「はい、言っておきます」
返事をしつつ、注意深く患者の顔色を観察する。
呼吸困難というほどでもなく、チアノーゼも出ていない。浮腫はもとからあるようだし……。
しばらくすると落ち着いた表情になってきたので、こちらもホッとした。
主治医は進藤さん……じゃない、病院では進藤先生だ。いつ頃、退院可能か後で確認しておこう。
「異常があったら、すぐナースコール鳴らしてくださいね」
病室を出ていくときに声をかけたけど、返事はなかった。
気にはなるけど、ひとりの患者につきっきりになっているわけにはいかない。今日は五人の受け持ち患者がいる。
他の患者はすんなりと質問に応じてくれ、大きな問題はなくラウンド終了。
昼休憩に入り、午後のオペ出しに備えようと思ったときだった。
ナースコールが鳴り、カウンターに置いたディスプレイに大村さんの名前が表示された。
私は走って横の受話器を取る。