ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました

 じわっと目頭が熱くなった。

 その瞬間、エレベーターがオペ室の階に着く。

 オペ室の前で、病棟とは違う制服を着た看護師が待っていた。進藤先生が声をかける。

「福田さん、よろしく。ここからは俺たちの仕事だ。君は戻れ」

「でも」

「他の患者さんたちが待っている。病棟の方を頼む」

 私はここにいても役に立たない。病棟で他の患者さんのために尽くせってことね。

 それが、私の──病棟看護師のやるべきことだ。

「はい。よろしくお願いいたします!」

 深くお辞儀をする私には目もくれず、福田看護師は大村さんを運んでいく。

 進藤先生だけは少しだけこちらを振り返り、目線で「大丈夫だ」と言ってくれた。そんな気がした。

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