ぽっちゃりナースですが、天才外科医に新妻指名いただきました
そしてやってきた日曜日。
「あれっ、痩せたか?」
迎えに来てくれた進藤さんの第一声が私を飛び上がらせるくらいに喜ばせた。実際は飛び上がらなかったけれど。
「さらにかわいくなった」
進藤さんは私の肩や二の腕を軽く触って微笑んだ。うれしさでクラクラする。
気づいてくれた。いつも一緒にいる同僚は誰も気づいてくれなかったのに。
いや、ダイエットをしていることは気づいていただろうけど、「痩せた」と言ってくれる人はいなかった。
「健康に気をつけようと思いまして」
「それはいいことだ。全体的にすっきりしたな。髪もメイクもよく似合っている」
この言葉で、私は天に昇りそうな気持ちになった。
「じゃあ行こうか」
進藤さんの車に乗ること一時間。
ビルや住宅から離れ、山と言っても差し支えのないような道に入る。きれいに舗装はされているが、右を見ても左を見ても、木ばかり。
道に疎い私は、あっという間に自分がどこにいるのかわからなくなってしまった。
「ここはどこなんでしょう……あっ」
木々の間から、レンガでできた建物が見えた。