若き社長は婚約者の姉を溺愛する
求婚からのお断り
ちぎれ雲が風に流れ、青い空に模様を描く。
それを眺めながら、会社近くの公園へ歩いた。
お昼休みは気分転換も兼ね、昼食はなるべく外で摂るようにしている。
自由になる時間が少ない私は、会社のお昼休みがささやかな自分の時間で、このちょっとした時間さえ大切だった。
「昨日の夕食までは、あんな嬉しそうにしていたのに、どうして今日は、機嫌が悪かったのかしら?」
継母や梨沙だけでなく、父まで不機嫌だった。
膝の上のお弁当に箸をのばし、浅漬けにしたラディッシュをつまむ。
ちょうどいい塩加減で、サラダ感覚で食べられる。
「美味しい……」
沖重の家で食べるより、こうして一人で食事をするほうが味がする。
しかも、天気が良くて気持ちがいい。
水筒に温かいほうじ茶が入っていて、一口飲むと、ホッとする。
いつものベンチに座って、食事を続けていると、隣のベンチに若いサラリーマンが座った。
黒髪、黒目で、体格はがっしりとしていて、顔はかなりいいほう……って、私はなにを考えているのだろうか。
普段なら、そんな気にならないのに、その人だけは、なぜか私の興味を引いた。
それを眺めながら、会社近くの公園へ歩いた。
お昼休みは気分転換も兼ね、昼食はなるべく外で摂るようにしている。
自由になる時間が少ない私は、会社のお昼休みがささやかな自分の時間で、このちょっとした時間さえ大切だった。
「昨日の夕食までは、あんな嬉しそうにしていたのに、どうして今日は、機嫌が悪かったのかしら?」
継母や梨沙だけでなく、父まで不機嫌だった。
膝の上のお弁当に箸をのばし、浅漬けにしたラディッシュをつまむ。
ちょうどいい塩加減で、サラダ感覚で食べられる。
「美味しい……」
沖重の家で食べるより、こうして一人で食事をするほうが味がする。
しかも、天気が良くて気持ちがいい。
水筒に温かいほうじ茶が入っていて、一口飲むと、ホッとする。
いつものベンチに座って、食事を続けていると、隣のベンチに若いサラリーマンが座った。
黒髪、黒目で、体格はがっしりとしていて、顔はかなりいいほう……って、私はなにを考えているのだろうか。
普段なら、そんな気にならないのに、その人だけは、なぜか私の興味を引いた。