若き社長は婚約者の姉を溺愛する
でも、清掃スタッフの観察眼は侮れない。
毎日、社内を回っているからか、その情報の収集力はすさまじいものがある。
出入りする人を大勢目にしているからか、見る目が鍛えられている。
「美桜ちゃん。アンタ、ワケアリだね?」
「えっ? ワケアリだったんですか?」
毎日シフトに入っていないのと年齢もあってか、真嶋さんだけは、気づいてなかったようで驚いていた。
「真嶋さんは甘いねぇ~。すーぐわかったよ。沖重の清掃スタッフから、社長令嬢から嫌がらせを受けたって聞いていたし、これは裏にドラマがあるって思ったね」
ずらりと並ぶベテラン清掃スタッフ。その年配女性の迫力ときたら、私がなにも言えなくなるくらいだった。
「さーて。詳しく聞かせてもらおうかね」
「えっ? どうしてですか?」
「面白いからに決まっているだろっ!」
すがすがしいまでに、はっきり言われてしまった。
「すみません。私の力じゃ助けてあげられません。話さなかったら、話すまでスッポンのように食らいついてきますよ」
すでに過去、スッポンのように食らいつかれた真嶋さんが、私に教えてくれた。
結局、私はことの顛末を説明するはめになった。
私の境遇をひととおり話終えると、全員の目が潤んでいた。
毎日、社内を回っているからか、その情報の収集力はすさまじいものがある。
出入りする人を大勢目にしているからか、見る目が鍛えられている。
「美桜ちゃん。アンタ、ワケアリだね?」
「えっ? ワケアリだったんですか?」
毎日シフトに入っていないのと年齢もあってか、真嶋さんだけは、気づいてなかったようで驚いていた。
「真嶋さんは甘いねぇ~。すーぐわかったよ。沖重の清掃スタッフから、社長令嬢から嫌がらせを受けたって聞いていたし、これは裏にドラマがあるって思ったね」
ずらりと並ぶベテラン清掃スタッフ。その年配女性の迫力ときたら、私がなにも言えなくなるくらいだった。
「さーて。詳しく聞かせてもらおうかね」
「えっ? どうしてですか?」
「面白いからに決まっているだろっ!」
すがすがしいまでに、はっきり言われてしまった。
「すみません。私の力じゃ助けてあげられません。話さなかったら、話すまでスッポンのように食らいついてきますよ」
すでに過去、スッポンのように食らいつかれた真嶋さんが、私に教えてくれた。
結局、私はことの顛末を説明するはめになった。
私の境遇をひととおり話終えると、全員の目が潤んでいた。