若き社長は婚約者の姉を溺愛する
「美桜~。パンを作って。明日の朝はパンが食べたいの。でも、買ってきたのじゃなくて、手作りにしてよ」
「わかりました」
梨沙はパンを作るのが大変だと思っているけど、ホームベーカリーという文明の利器がある。
パンの材料を入れておけば、朝には焼き立てパンが出来上がっているというわけです。
これくらいは、まだ嫌がらせのうちにも入らない。
「ねえ、美桜。宮ノ入さんって知っている?」
「いいえ」
一瞬、ドキッとしたけど、いつもの無表情を心がけた。
何年間もやってきたから、今回もうまく自分の動揺を隠せたと思う。
「そう……? ならいいわ」
私の顔を眺めて、少しの間、怪しんでいたけど、納得してくれたようで、リビングでネイルを塗ってる継母に、梨沙が報告する。
「宮ノ入さんのこと知らないって~」
「本当に?」
「美桜が働いているのって、小さい会社でしょ。出会うこともないと思うわ」
「確かにそうね」
私の就職先について、二人は誤解している。
父のほうは、私に興味はなく、知らないけど、私が大学の就職活動をしていた先は、宮ノ入ではなく、取引先の扇田工業。
「わかりました」
梨沙はパンを作るのが大変だと思っているけど、ホームベーカリーという文明の利器がある。
パンの材料を入れておけば、朝には焼き立てパンが出来上がっているというわけです。
これくらいは、まだ嫌がらせのうちにも入らない。
「ねえ、美桜。宮ノ入さんって知っている?」
「いいえ」
一瞬、ドキッとしたけど、いつもの無表情を心がけた。
何年間もやってきたから、今回もうまく自分の動揺を隠せたと思う。
「そう……? ならいいわ」
私の顔を眺めて、少しの間、怪しんでいたけど、納得してくれたようで、リビングでネイルを塗ってる継母に、梨沙が報告する。
「宮ノ入さんのこと知らないって~」
「本当に?」
「美桜が働いているのって、小さい会社でしょ。出会うこともないと思うわ」
「確かにそうね」
私の就職先について、二人は誤解している。
父のほうは、私に興味はなく、知らないけど、私が大学の就職活動をしていた先は、宮ノ入ではなく、取引先の扇田工業。