若き社長は婚約者の姉を溺愛する
「別に気にしてないし」
「ふーん。ボディクリーム使ったのか」
「ひえっ……!?」
それは、社長の気配だった。
いつの間に私の後ろにいたのか、まったく気が付かず、背後から、顔を覗かせた社長は、私の頭の上にぽんっと手をのせる。
「悪い。会議があって、少し遅れた」
「い、いえ。会社にとって大事な会議ですし。それよりっ! 私の匂いを確かめないでくださいっ!」
「確かめたわけじゃなくて、背後に立った時に気づいただけだ」
気配を消して近づいたくせに、少しも悪びれずにそんなことを言う。
「座ろう。昼休みが終わる」
私の手を掴み、いつも私が座っているベンチに並んで座る。
なんとなく、逆らえず、流れでベンチに座ってしまったけど、これはおかしい。
「あ、あの、隣のベンチに座らないんですか? ちょっと近すぎます」
「公共の物だし、誰が座っても問題ないと思うが?」
言っても無駄だと思い、渋々、お弁当を広げる。
社長は私の手に、ぽんっとお昼のデザートをのせてくれた。
高級そうなあんみつが、手の中でひんやりしている。
「もらいものだけど、冷蔵庫から、一緒に食べようと思って持ってきた」
「ありがとうございます……。あのっ! 私もおにぎり作ってきたので、どうぞ」
「ふーん。ボディクリーム使ったのか」
「ひえっ……!?」
それは、社長の気配だった。
いつの間に私の後ろにいたのか、まったく気が付かず、背後から、顔を覗かせた社長は、私の頭の上にぽんっと手をのせる。
「悪い。会議があって、少し遅れた」
「い、いえ。会社にとって大事な会議ですし。それよりっ! 私の匂いを確かめないでくださいっ!」
「確かめたわけじゃなくて、背後に立った時に気づいただけだ」
気配を消して近づいたくせに、少しも悪びれずにそんなことを言う。
「座ろう。昼休みが終わる」
私の手を掴み、いつも私が座っているベンチに並んで座る。
なんとなく、逆らえず、流れでベンチに座ってしまったけど、これはおかしい。
「あ、あの、隣のベンチに座らないんですか? ちょっと近すぎます」
「公共の物だし、誰が座っても問題ないと思うが?」
言っても無駄だと思い、渋々、お弁当を広げる。
社長は私の手に、ぽんっとお昼のデザートをのせてくれた。
高級そうなあんみつが、手の中でひんやりしている。
「もらいものだけど、冷蔵庫から、一緒に食べようと思って持ってきた」
「ありがとうございます……。あのっ! 私もおにぎり作ってきたので、どうぞ」