若き社長は婚約者の姉を溺愛する
意識がテレビのほうへ向いた。
「えっ?」
テレビ画面には、宮ノ入グループ社長『結婚』の文字。
そして、相手は沖重グループのご令嬢――沖重でご令嬢と呼ばれるのは、たった一人、梨沙だけだ。
並んで画面の中にいたのは、社長と梨沙だった。
「経営が危ぶまれていた沖重グループですが、株価が上がっていますね」
「宮ノ入グループの社長は若いですが、経済界でもすでに存在感があり、経営手腕も素晴らしい。沖重の経営も持ち直すでしょう」
テレビの向こう側にいる社長は、私の知らない人みたいに見えた。
社長の隣には、梨沙がにこやかに微笑んでいて、気合の入ったメイクと服装で座っている。
どこかのホテルのレストランが会場として、使われているようだった。
社長はにこりともせず、むっとした表情のままで、なにも話さない。
「宮ノ入さんは同じ学校の先輩で、憧れだったんです。そんな人と婚約できて本当に嬉しいです」
「勘違いしないで欲しい。今日はただの食事会だったはずだ。まだ結婚するとは決まってない」
社長が否定するも梨沙はすぐにそれを否定する。
「えっ?」
テレビ画面には、宮ノ入グループ社長『結婚』の文字。
そして、相手は沖重グループのご令嬢――沖重でご令嬢と呼ばれるのは、たった一人、梨沙だけだ。
並んで画面の中にいたのは、社長と梨沙だった。
「経営が危ぶまれていた沖重グループですが、株価が上がっていますね」
「宮ノ入グループの社長は若いですが、経済界でもすでに存在感があり、経営手腕も素晴らしい。沖重の経営も持ち直すでしょう」
テレビの向こう側にいる社長は、私の知らない人みたいに見えた。
社長の隣には、梨沙がにこやかに微笑んでいて、気合の入ったメイクと服装で座っている。
どこかのホテルのレストランが会場として、使われているようだった。
社長はにこりともせず、むっとした表情のままで、なにも話さない。
「宮ノ入さんは同じ学校の先輩で、憧れだったんです。そんな人と婚約できて本当に嬉しいです」
「勘違いしないで欲しい。今日はただの食事会だったはずだ。まだ結婚するとは決まってない」
社長が否定するも梨沙はすぐにそれを否定する。