怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
「なにかとても大切なことだったのでしょうか。そうだとしたら覚えていなくて本当にすみません。あの……もう一度話してもらえませんか?」
「いや、今は言えない。そのタイミングじゃないから」
悠正さんが俯きながら首を横に振った。
「そもそも優月が酔っていると知りながらきみに告白をした俺がいけなかった」
「えっ、告白!?」
さらっと告げられた言葉に、思わず自分の耳を疑ってしまう。
私、告白されたの?
衝撃の一言に口をポカンと開けたまま固まってしまった。
どうしよう。少しも覚えていない。もしも本当に告白をされたのだとしたら、覚えていないなんて最低だ。
いや、でも本当に告白されたのだろうか。されたのだとしたらそれはつまり悠正さんが私に好意を寄せてくれているということになるけれど、そんなこと有り得ない気がした。
「えっと……冗談ですよね?」
恐る恐る問い掛けると、それには答えず悠正さんがにこりと笑う。
「思い出せない?」
「……はい」
そううなずいたのと同時に、不意に腰に回された腕に体ごとぐいっと悠正さんの方へと引き寄せられた。
突然のことにバランスを崩してしまった私は思わず彼の胸に飛び込んでしまう。