怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
俺が好きだと告げたとき、優月は俺を受け入れてくれるのだろうか。
受け入れてもらえないのなら、このまま今の関係を続ける方がいいのかもしれない。自分の気持ちなんて伝えなくても今の優月は俺の妻で、俺のものなのだから。
そんなことを考えながら優月の柔らかい頬を指でそっと撫でていると、ふと彼女の額に目がいった。そういえばここに……と、思い出して前髪を持ち上げる。
そこには、あの日見たときのように三センチほどの赤い痣のようなものがあった。優月と初めて体を重ねた夜に見つけた傷跡。
その部分をしばらく指でなぞっていると、優月の瞼がピクッと動いた。
「……ん」
どうやら目を覚ましたようで、俺は優月に触れている手をそっと引っ込める。
「悠正さん?」
優月の視線がぼんやりと俺を捉え、目をこすりながら小さく欠伸をした。
「すみません。いつの間にか寝ていたみたいです」
「それならちゃんと自分の部屋で寝ないと。こんなところで寝ていたら風邪引くぞ」
「そうですよね。気を付けます」
そう答えて優月は小さく笑った。
「悠正さん、晩ご飯まだですよね。すぐに温め直してきます」
そう言って、優月がソファから立ち上がった。