怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
一夜が明けて……
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ゆっくりと意識が浮上して瞼を持ち上げると、真っ白な天井が目に入った。そのまま数回ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
締め切られたカーテンの隙間から差し込む柔らかな朝の光が、ベッドで仰向けに寝転がる私の頬を優しく照らしていた。
今は何時だろう。
随分とぐっすりと眠った気がするものの、体はまだ睡眠を求めているのかいつも以上に重たくだるい。
時間を確認するため壁掛け時計に視線を向けたところで、ふと違和感に気が付いた。
いつもならそこにあるはずの時計が見当たらない。というよりも、この部屋は全体的にどこかおかしい。
「えっ……ここどこ?」
見覚えのないカーテンに家具。ベッドもいつもよりも大きいし、ふかふかしている。
小野坂優月、二十五歳。
どうやら自分の部屋ではないどこか別の場所で朝を迎えているらしい。
「どういうこと⁉」
その事実に驚いて飛び起きると、さっきまで体をすっぽりと覆っていた薄手の毛布がずり落ちた。
その瞬間、露わになったのは一糸纏わぬ自分の姿で……。
「ええっ⁉ 嘘でしょ」
慌てて毛布を掴み、首元まで一気に引き上げると自分の裸をすっぽりと隠す。
どういうこと?
どうして私はパジャマも下着も身に着けていない状態で寝ていたのだろう。