怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
「でも、本当はうれしかった。悠正さんに愛していると言ってもらえたこと。そのときは驚いてしまったけれど、それからずっと悠正さんのことを考えて、ようやく気が付きました。私も悠正さんのことが好きです」
はっきりとそう告げた私は、自分からそっと目の前の彼の胸に顔をうずめた。
「一緒にいると危険な目にあうかもしれあい。それがこわいから悠正さんのそばを離れたいとは思いません。私の気持ちはそんなに薄っぺらくはないです。これからはちゃんと両想いの夫婦になって、悠正さんの妻としてあなたのそばにいたい」
それが私の答えだ。
「ありがとう、優月」
悠正さんの腕が私の背中に回りぎゅっと強く抱き締められる。
「これで俺たちようやく両想いってことでいいんだよな。ひと晩寝たら覚えていませんとか言わない?」
「えっ、はい。言わないと思います」
「思います?」
「言わないです」
「今度はちゃんと覚えておけよ。俺は優月が好きで、優月も俺が好きだってこと」
「はい」
なぜか執拗に確認されてしまい不思議に思いつつもそれにうなずく。すると、私を抱き締める悠正さんの腕にさらに力がこもった。