怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
エントランスには二十四時間警備員が常駐していて、来訪者があるとまずはコンシェルジュが対応をしてから訪問先の部屋に確認して来訪を許可される。
また、防犯カメラや防犯センサーなどで不審者の侵入や異常の発生にもいち早く対応できるようになっているらしい。
そんな風に厳重な警備のマンションなので、住人が目的の住戸へ辿り着くまでにも様々な防犯対策がされている。
その中でも私が厄介に感じているのは、四段階にも渡る厳しいセキュリティシステムだ。マンション内のアプローチ、エントランス、エレベーターホール、住戸玄関の四つ設けられたセキュリティを解除していかなければ自宅には帰れない。
いったい悠正さんはどうしてこんなにもセキュリティの厳しいマンションに暮らしているのだろう。
ここに暮らし始めてまだ三日目だけど、このセキュリティが私はすでに面倒くさくなっている。それでも解除していかなければ帰宅できないので大人しく順番に解除していくと、ようやく自宅の玄関の扉が開いた。
スーパーで買った食材を冷蔵庫にしまうと、さっそく晩ご飯の支度に取り掛かる。悠正さんは帰宅が遅くなるものの、晩ご飯は自宅で食べると言っていた。