怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~

 そういえば昨日、悠正さんとマンションの近くにあるカフェにモーニングを食べに行ったとき、ここはスイーツのプリンも美味しいのだと教えてもらった。

 店内で持ち帰り用に販売もしているらしく、どうやら悠正さんは私のためにわざわざ買ってきてくれたらしい。


「ありがとうございます」


 そっと箱を開けると、中にはふたつのプリンが入っていた。


「とっても美味しそう」


 思わずふにゃりと笑ってしまうと、目の前の悠正さんがくすりと笑う。


「喜んでもらえてよかった。あとで一緒に食べようか」

「はい。晩ご飯ももう出来上がっているので、テーブルに並べますね」

「ああ、ありがとう。着替えてくるよ」


 悠正さんはリビングをあとにすると自室へと向かった。

 それからふたりで晩ご飯を食べると、さっそくデザートのプリンを食べ始める。しっかりと固めの食感に、卵の風味が際立っており、ほろ苦いカラメルソースをからめるとさらに濃厚な味わいになる。


「あっ、そういえば」


 プリンを味わって食べ終えたあとでふと思い出したことがあり、目の前に座る悠正さんに声をかけた。

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