怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~

「まぁでも実際に命が危ないと思うほど危険な目に遭ったことはないから。扱う案件によってはそういうことも有り得るってだけの話で、大抵の場合はそこまで命張ることないから大丈夫」


 不安になってしまった私を安心させるためなのか悠正さんがにっこりと笑う。

 
「このマンションを選んだ理由も事務所とのアクセスがいいっていうのが実は一番の理由で、あとは部屋から見える景色に惹かれたからかな。セキュリティはついでみたいなもので、そこに特別こだわったわけじゃない」


 確かにこのマンションから事務所まで電車だと乗り換えなしで行けるし、車やタクシーを使う場合もそれほど道路が混雑しないので渋滞に巻き込まれることもない。それに、高層階にあるためここからの眺めは格別だ。

 どうやら悠正さんはアクセスと景観の良さが気に入ってこのマンションに住んでいるのであって、セキュリティーについてはおまけのようなものらしい。

 命を狙われているという話をされたときは動揺したけれど、そんなに大袈裟にとらえる必要はなさそうで少し安心した。


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