怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
「優月、顔が真っ赤」
「だ、誰のせいだと……」
「俺のせいか」
悠正さんは今度は私の頬に唇をつけると、わざとらしくちゅっと音をたててキスをする。そのせいで私の顔がさらに赤くなるのを見て彼は楽しそうに笑った。
「さてと、着替えてこようかな」
私のお腹に回っていた悠正さんの腕の力が弱まりゆっくりと離れていく。そのまま彼はリビングをあとにした。
すると私の口から思わず「はぁ……」とため息がこぼれる。
最近の悠正さんはたびたびあのようなスキンシップを私にしてくるから動揺してしまう。
たぶん彼なりに私との距離を縮めようとしてくれているのだと思うけれど、心臓に悪いので朝からあのようなことはやめてほしい。いや、いつされても困ってしまうのだけれど。
そんな風に悠正さんからのスキンシップに困惑しながらも、それをきっかけに少しずつ彼と仲良くなれているような気もする。
最初の頃は、憧れの弁護士である悠正さんとの生活に緊張していた私だけれど、スキンシップをかわし続けているうちに少しずつ距離が縮まったように思うのだ。