きみと、どこまでも堕ちていきたい
美しい華が散るとき
なんで?



私は、霊安室でもう2度と目を開けない姉を目の当たりにして、心で何度もその言葉を繰り返した。

「みか…!美華!何でなのよ…!」

お母さんはそう叫びながら、姉の亡骸にすがって泣いていた。

哀しいはずなのに、涙すら出ない。
私は霊安室の入口に立ち尽くしたまま、姉の亡骸を見つめていた。



江口美華(えぐちみか)。
7つ歳の離れた、私の姉。

姉ほどその名前が似合う女性はいないのではないかと思うほど、名前の通り美しい華のある人だった。

『私ね、いまとても幸せなの!』

そう幸せそうに話す、姉の姿がよぎる。
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