きみと、どこまでも堕ちていきたい
「滝川さん?」


立ち入り禁止のわりに、鍵が壊れ施錠されていない会社の屋上。
たくさんの建物が見渡せる、屋上の橋の方にぽつんとあるベンチ。

いままで誰も来たことがなかったのに、私の前に二階堂は現れた。

「…なんで」

誰にもこの場所は言ったことなかったのに。

「顔色が悪かったから、追いかけてきた。大丈…」

「来ないでください!」

私に近寄ろうとする二階堂に向けて声を張り上げる。

いま、涙で顔がぐちゃぐちゃ。
こんな姿、二階堂なんかに見られたくない。

「大丈夫です…。だからいまは放っておいてください…」

あーあ。
こんなこと言ったら、二階堂に嫌われちゃうかも。

でも、もういいか…
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