きみと、どこまでも堕ちていきたい

愛される条件

昔から、出来のいい姉と比べられてきた。

姉は成績優秀なだけでなく、明るく美人で人柄も良く、誰にでも好かれる人だった。

対して私は、成績は可もなく不可もなくで、特に美人というわけでもなく、ごく平凡な人間である。

勉強もスポーツも何をやっても姉には勝てなかった。

中学生のとき、気になっていた隣の席の男子と一緒に下校していたとき、偶然姉に出くわした。

その男子は姉に一目惚れをしたらしく、しばらくしてからその事を切り出された。

それまで両思いだと思っていた私は、愕然とした。

そんなことが、今までに何度もあった。

結局、みんな姉のほうを向いてしまう。

私には魅力がないと、嫌になるほど思い知らされてきた。


きっと二階堂も、姉の魅力に惹かれたひとりだったのだろう。

けれど二階堂は、姉ではなく家族を選んだのだ。