きみと、どこまでも堕ちていきたい
カフェで紅茶を嗜む姿が様になる。
同性の私でも、近くにいれば振り向いてしまうだろう。
二階堂莉菜は専業主婦で、水曜日は決まって子供連れで駅前のカフェに紅茶を飲みに来るらしい。
私は今日、休みを取って莉菜から少し離れた席で様子を見ていた。
綺麗な人…。
左手の薬指には、あの男と同じ指輪がきらりと光る。
あの指輪、高いんだろうなあ。
何であんな綺麗な奥さんと子供がいるのに、二階堂は不倫を繰り返すのだろう。
男にとって、愛情と性欲は別物なのだろうか。
パートナーを愛していても、性欲が満たされなければ男は浮気をする。
けれど結局男は奥さんが1番で、家族を捨ててまで浮気相手と一緒になりたいとは思わない。
お姉ちゃんほど、完璧で華のある女性でさえ捨てられてしまうのだから。