きみと、どこまでも堕ちていきたい
妻と愛人
姉が亡くなったあと、両親は離婚をして私は母の旧姓である"滝川"になった。
姉の死後から喧嘩が堪えなくなった母と父の姿を見ているのは本当に辛かった。
『お前が美華の様子をちゃんと見ていなかったからだ!』
『あなただって、仕事仕事で全然家のことを見てなかったじゃない!』
毎日こんな言い争いが続いた。
だからこそ離婚してくれてほっとする気持ちと、家族がバラバラになっていく辛さと、相反する気持ちで私は精神的に不安定な時期があった。
いま考えると、ずっと私を支えていたのは二階堂への強い憎しみだったのかもしれない。