8月25日(後編)
水樹くんと回りたい気持ちもあれば、そうじゃない気持ちもあったりで…

「後悔のしない選択をしなね!」


和子はそう言うと、なぜかドアのほうに向かって背中を強く押した。

きっと、和子はわたしの気持ちに気づいてる。


水樹くんと回りたい!って思ってる気持ちに。


もちろんまた勝手に傷つくかもしれない。

だけど、今日のことを後悔したくない。


「和子、わたし行ってくる!」

「行っておいで」

と優しく微笑む和子を背に走った。


あ、着替え!…ま、いっか。

会ったら謝ろう。


そう思いながら足を進めていると、聞こえてきたのは水樹くんと平野くんの声だった。

渡り廊下に続く階段で聞こえてきた2人の会話に耳を傾ける。


「この間、夏目さんショックうけてたよ。何で断ったんだよ?友達くらいなってあげればいいのに」

そう言った平野くんにドキッとする。
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