8月25日(後編)
水樹くんを好きになる気持ちはわかるから、何とも言えない気持ちになる。


「客としてじゃないよ?」

「え?」

「バイトの面接受けにきたんだって」

「っ…」

そこまで…?


そんなに好かれるって、水樹くんもすごいな〜。

「それでいよいよやばいって思ったらしくて辞めたって」

「…そっか。でも、何かもったいないね」

「もったいない?」

「うん、だって水樹くん、バイト楽しかったみたいだから」


そんな理由で辞めたのは心残りなんじゃないかな?…

それに水樹くんのことだから辞める時も、店長や他の従業員の人たちに止められたはずだ。


「んーでも、今は今で楽しいみたいだよ?自分の時間があることで違った充実感があるとかで」


と笑う平野くんにつられてわたしも笑う。

確かにそんなこと言ってたな。

何でも前向きに考えることができる水樹くんはすごいし、羨ましくもある。
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