8月25日(後編)
いったいいつから…?


「ごめん。ほぼ全部、かな。晴人を探しに来たら、紗良ちゃんといるところ見かけてそれで」

「そうだったんだ…」


じゃ、もうやり取りは全部聞かれてたんだね。

そして、与田くんの気持ちも水樹くんは知ってたんだね。


だからあの時、聞いてあげてほしいって言ったんだ…。


「俺、もっと紗良ちゃんのこと信じるよ。あ、別に信じてなかったわけじゃないんだけど、色々と心配だった。でも、もう大丈夫そうだから」

水樹くんは優しく笑うと、頭に手を乗せ瞳を絡めてきた。


やっぱりわたしは水樹くんのその瞳が好きだ。

いつも真っ直ぐ見てくれるその瞳が。


「そろそろ戻ろっか。これ、初日から説教かな〜」

と頭を掻く姿に顔の筋肉が緩む。


また今日からわたしの彼氏なんだな〜。

そう思うとニヤけずにはいられないや。
< 229 / 499 >

この作品をシェア

pagetop