8月25日(後編)
きっと、朝陽の頭の中も和子でいっぱいなはず。

もしかしたら、この旅行中に和子と朝陽もカップルになるかもしれないな。


そう思うと胸がふんわり温かくなった。


「いいな〜!わたしも慧くんみたいにイケメンで優しくて一途な彼氏欲しいっ」

山岡さんの発言に和子が反応する。

「山岡さん、慧くんのことタイプだったの?」

「そういうわけじゃないんだけど…てか、慧くんはレベルが高すぎてわたしなんかには無理だったし」


そうだろうか?


山岡さんは可愛いと思うけどな。

少し茶色がかった髪は長くて綺麗だし、身長は高くないけど色白で細くて羨ましい体型をしている。

そんな山岡さんは確実にわたしより可愛いし、モテるはずだ。


だから、そんなに自分を下げることはないと思うんだけど。


「ここだけの話し…わたし、D組の大津くん好みだったんだよね」

え…大津くんって真咲くんのことだよね?…


「ほんとに!?大津!?」

和子が驚いた声を出す。
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