8月25日(後編)
平野くんは小さくため息を吐くと鼻で笑った。

奈々ちゃんは平野くんに心を開いてるんだろうな〜。

じゃないと文句なんて言えないはずだし。


やっぱりこの2人もうまくいくと思う。


「あ、そういえば、ガラスでできたアクセサリーとかが女子の中で人気らしいよ?それなら奈々ちゃんも喜ぶんじゃない?」

「アクセサリーか…へ〜そういうのがあるんだ?」

「うん。旅行雑誌で見たことあるよ」


写真が何枚か載ってたけど、どれも綺麗で可愛かったから、奈々ちゃんも気に入ってくれるはず。

まぁ、ちょっとお値段してたけど…。

でも、平野くんなら買うだろう。


「後でスマホで見てみる。ありがとう」


とお礼を言うと、ゆっくり立ち上がった平野くん。

「俺、先に部屋に戻るけど夏目さんどうする?」

「あ〜わたしはここで和子のこと待ってる」


わたしから誘っておいて先に部屋に戻るのは気がひける。
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