8月25日(後編)
遠目から見ても水樹くんはかっこいい。

スラーっとしたモデル体型に小顔で、あれは誰がどう見てもかっこいいでしかない。


あんな人が彼氏なんて、信じられないや。


水樹くんから視線をそらし俯いていると、いつの間にか水樹くんたちの姿は消えていた。

「紗良?」

少しすると後ろから和子の声が聞こえ振り向くと、朝陽といい雰囲気で立っていた。

「2人いい雰囲気だね」


和子と朝陽の顔を交互に見ながらそう言うと、2人して照れたように微笑む。


初々しいってこういうことを言うのかな?

なんて思いながら3人でエレベーターに乗った。


「お土産なんかいいのあった?」

わたしから誘っておきながら、結局はお土産屋に入らず終い。

「ないことはないけど、あそこのお土産屋で買わなくてもいいかな、って感じ」


そう答えた和子はいつも通りだ。

やっぱり朝陽に任せてよかった。
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