8月25日(後編)
「お待たせ」

と平野くんの手にはお土産袋が。


どうやら奈々ちゃんのお土産は、無事に買えたようだ。


「ほんとに指輪よかったの?気に入ったんでしょ?」

ホテルに帰る道中、和子が声をかけてきた。

「いい。あの指輪、お洒落過ぎたし」

「そうかな?似合うと思ったけどな〜。慧くんもそう言ったはずだよ?」


と言われ、前を歩く水樹くんの背中を見る。

確かに水樹くんならそう言ってくれただろう。

でも、わたし自身が似合わないって思ってるんだもん。


わたしに指輪はまだ早い。


「それにしても前の3人、後ろ姿もイケイケだね〜」

そう言った和子の目は完全にハート。


そんな和子につられ、水樹くんの背中から順に、平野くん、朝陽に視線を向ける。

うん、確かに3人とも後ろ姿からかっこいい。
< 248 / 499 >

この作品をシェア

pagetop