8月25日(後編)

ゆく年くる年

気づくと明日から冬休み。


修学旅行が終わってからの時間の経ち方が、あまりにも早すぎて驚く。

こんな感じだとあっという間に3年に…

受験生だ。


「慧くん遅いね〜」


教室の窓から灰色の空を見上げながら和子が呟いた。

「ほんとだね」

と和子の背中を見ながら返事をする。


終業式だったためか、校舎に生徒の姿が見えない放課後の今、わたしと和子は慧くんを待っていた。

といっても、和子が待っているのは慧くんじゃないんだけど。

なぜ待っているかというと…

「今日これで3人目でしょ?告白」

と和子の言った通り、告白で呼び出されていたため。


終業式が関係あるのかはわからないけど、慧くんに告白をしたのは今の子で3人目。


3人目の子は後輩だとか…。

相変わらずのモテっぷりにもうお手上げ状態。
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