8月25日(後編)
「みんなダメ元で告白してると思うから、今日という日を選んだんだろうね」

窓の外を眺めながらそう言った和子に首を傾げる。

「ダメ元?」


ダメ元で慧くんに告白…?


「だって紗良と寄りを戻したことなんてあっという間に広まったし、彼女がいるとわかっていながらする告白はダメ元でしょ?」

と振り向いた和子と目が合うと、そのまま言葉を並べる。

「振られても明日から会わなくていいし、やっぱり都合いいじゃん?終業式って」


そう、なのかな…?


まぁ、確かに振られてから会う…ってのは気まずいよね。

「ね、ちょっと行ってみよっか!」

そう言った和子の顔は悪い顔だ。

「それはさすがにダメだよ。盗み聞きになるし」

「でも遅いし気にならない?もう20分は経ってるよ」


……20分…

告白にしては長い?ような。


「もしかしたら、あんなことやこんなことされてるかもよ?間近で見る慧くんの魅力に負けて」
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