8月25日(後編)
遠慮気味に連絡先を聞き出す女子に対して慧くんは…


「あ、ちょっと待ってね」

とポケットからスマホを取り出した。

…えっ……

連絡先、教えるの?…


「とりあえず番号だけでいい?」

「はいっ、ありがとうございます」

2人は簡単に連絡先を交換したようだった。


その瞬間、胸に激痛が走る。

ズキズキと何かが何度も刺してくる。

痛みに耐えながら聞こえてきた慧くんの言葉にトドメを刺された。


「このことはくれぐれも秘密にしててね?」

……っ…


「紗良「ごめん、わたし帰る。そう伝えといて」」

和子が言いたいことは何となくわかる。


それを聞けるほど余裕なんてない。
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