8月25日(後編)
教室にリュックを取りに戻ると「紗良、」と驚いた表情の朝陽が。

「朝陽…」

「和子、知らない?」


朝陽はバスケの自主練で残っていた。

そんな朝陽を和子は待っていて、そんなこんなで今に至る。


「和子ならすぐに来ると思う」

「そっか。紗良、なんかあった?オーラが暗いけど?」

「…ううん、何も。じゃ、わたし帰るね」


とリュックを背負うと「水樹はいいの?」と痛いところを突いてきた。


「うん、今日はいいかな…」

そう言って笑うのが精一杯。

「じゃ、気をつけてな」


朝陽はそう言うと、和子のバッグを持って教室を出て行った。


なんだろう…この虚しさ。

…帰ろ。


下駄箱に向かいながら思う。
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