8月25日(後編)
その時、チャイムが鳴り響いた。

水樹くんだ!

急いで階段をおり、玄関を開けると笑顔の水樹くんが立っていた。

…のはいいんだけど……


どうしよう…

今日の水樹くん、すごくかっこいい。

とても直視できそうにないから困る。


「ごめん、待った?」

と顔を覗き込んでくるから、もっと困る。

「あれ?紗良ちゃん顔赤い…夏バテ?大丈夫?」


顔が赤いのは水樹くんのせいだ。

ズルい…ズルすぎるよ。


「だ、大丈夫だから」

「ほんと?祭り行けそう?」

という返事には何度も頷いて見せた。


このお祭りは例え熱があっても行く。
< 37 / 499 >

この作品をシェア

pagetop