8月25日(後編)
それぐらい楽しみにしていたんだ。

「じゃ、行こっか」

そう言うと歩き出した水樹くんの一歩後ろを歩く。

今日は隣に並べないかもしれない。


それにさっきから心臓がドキドキ…

いや、バクバクとうるさい。

こんなんでお祭り楽しめるかな?

と水樹くんの背中を見つめる。


はぁ…もう背中を見ただけでかっこいいというのがわかってしまう。


わたしももっと可愛かったらな〜…

こんなんなら和子に頼んで、この前みたいにお化粧でもしてもらえばよかった。


「紗良ちゃん?どうしたの?」

「…ううん、何でもない」

と咄嗟に笑顔を作るけど、うまく笑えていないだろうな。

「今日の紗良ちゃん元気ないね。体調悪いなら無理しなくていいんだよ?」


なんだか水樹くんのその優しさが今は胸に刺さる。
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