8月25日(後編)
「平野くん…」

「何か元気なくない?」

って平野くんにもわかってしまうほど、わたしは落ちているようだ。


「気持ちに余裕なくて…勝手に落ちてるだけ」

そう言ったわたしの顔はきっと苦笑い。

「また何で?慧と何かあった?」


と小声で聞いてくれた平野くんにも気を使わせてるよね。

だけど、さすがに水樹くんのそばで暴露はできない。


そんなわたしの気持ちを読みとったのか平野くんが口を開いた。

「慧、夏目さん喉乾いたって」

え、ちょっと平野くん!?

一言もそんなこと…


「じゃ、何か買ってくるから逞とここにいて?」

水樹くんはそう言うと友達と屋台へと消えて行った。
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