8月25日(後編)
その気持ちを胸に秘めて、沖縄を堪能した。

残念ながら2日間とも曇り気味で、慧くんに見せてもらった星空は見られなかった。


南のおかげで気持ちに余裕ができたこともあり、修学旅行で回った思い出巡りも少しだけすることができ、みんなで行ったガラスのアクセサリー屋にも寄れた。


外装は変わってしまっていたけど、内装も並べてあるキラキラなアクセサリーも変わってなくて、思い出に浸ることができた。

本当は一番の思い出の場所…


あの有名な水族館、それから真っ白な砂浜にも行きたかったんだけど、あえて行くのをやめた。


『いつか…また一緒にここに来よう?』

そう言ってくれた慧くんの言葉を思い出したから。

だから、あの水族館も砂浜で見る夕日も、慧くんと一緒がいい。


それまではお預け。



沖縄から帰ったその日、震える手を抑えながらスマホを耳に当てた。


『もしもし?』

ちょっと低い声に胸が高鳴る。

「あの…紗良、です」

『紗良ちゃん!?』

「うん…今って大丈夫?」
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