8月25日(後編)
時間などお構いなしに電話をかけたことを悔やむ。

気持ちがいっぱいいっぱいすぎて、そこまで気を回せなかった。

『大丈夫だよ。よかった、連絡くれて』

「連絡するの遅くなってごめんなさい」

『ううん、それはいいんだよ。でも、電話くれたってことは、時間作ってくれるってこと?』


落ち着いた慧くんの声に、わたしの気持ちも落ち着いていく。

「うん。いつ会える?」

なんて聞いておいてアレだけど、できれば年内は避けたいところ。


すでに明日から仕事のスケジュールがびっしりだ。


『俺から誘っておいてなんだけど、2月まで忙しいんだよね…ごめんっ』

「そうなんだ?それは仕方ないね」

『ほんとごめん。落ち着いたら、俺から連絡する』

「わかった」

『じゃ、また連絡するね』


電話を切り終える頃には、落ち着きを取り戻していた。


あんなに緊張していたのが嘘のように。

でも、いっとき会えないってことだよね。


だけど、たかが2ヶ月。
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