8月25日(後編)
「紗良と平野先輩って知り合いだったの?」

ようやくケビンが口を開いた。


「知り合いって言うか、愛さんは友達のお姉さん」

「え、そうなの!?こんなことってあるんだ…」

ほんとだよね。


世間の狭さったらすごいや。


「平野先輩は僕の上司なんだ」

と照れたように紹介したケビンを見てハッとする。

もしかして、ケビンが気になっている人って愛さん!?


同じ会社で年上って言ってたし、愛さんで間違いなさそう。

「紗良ちゃんさえよければなんだけど、これから3人でご飯でもどう?」

そう言ってきた愛さんに笑って頷く。


だって、こんなチャンスはないよね!


ここで愛さんにケビンをゴリ押ししよう。

そう思ったけど、ケビンからしたらわたしは邪魔かもしれない。

よかったのかな?

とケビンに視線を向けると、笑顔を見せてくれた。


そうだよね。

ケビンは優しいから、邪魔なんて思わないんだよね。
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