8月25日(後編)
あーやっぱりわたしの出る幕はないのかもしれない。


ケビンの優しさは、もうとっくに愛さんには伝わってる。

そんな2人を見ていると、わたしが選んだ行動は正しかったと思えた。


あの合鍵を持つのは愛さんであってほしい。

そう思った。



それから、わたしたち3人の共通が慧くんであることで話しは盛り上がった。

「紗良ちゃんたちのこと、逞に聞いてて気になってたんだよね」

と向けられた愛さんの視線。


「複雑な別れ方したんでしょ?」

「複雑というか…あの時はその決断が正しいと思っていたので、別れたことに後悔はしていません」


あの別れがあったおかげで、今の道に進めたこともあるし。

慧くんはどう思ってるのかわからないけど、わたしは後悔なんてしていない。


会いたくなったり、声を聞きたくなったり、触れたくなったり…


色んな感情はあったけど、なんとか乗り越えてこれたしね。
< 482 / 499 >

この作品をシェア

pagetop