8月25日(後編)
そこは…
「ここ…」
目の前の建物を見つめる。
「懐かしいでしょ?」
「うん。だって卒業した以来、一度も来てなかったから」
慧くんが連れて来てくれたのは、人生で一番と言っていいほど思い出深い場所…
学校だった。
ここで慧くんと出会い、全てが始まったことを思い出す。
「和田先生覚えてる?」
そう尋ねてきた慧くんに「もちろんだよ」と返事をすると、ふんわり微笑み言葉を続けた。
「この前偶然会ってさ、特別に許可を得たからちょっと入らない?」
「え…今から?」
「そう、今から」
なんの迷いもなくそう答えた慧くんに困惑する。
だって、今からって…
校舎は見るからに真っ暗なんだよ?
大丈夫なのかな?
ここ数年は出てないけど、暗所恐怖症の症状が出ないかと不安になる。
すると、そんなわたしの不安を読み取るかのように手を握られた。
「ここ…」
目の前の建物を見つめる。
「懐かしいでしょ?」
「うん。だって卒業した以来、一度も来てなかったから」
慧くんが連れて来てくれたのは、人生で一番と言っていいほど思い出深い場所…
学校だった。
ここで慧くんと出会い、全てが始まったことを思い出す。
「和田先生覚えてる?」
そう尋ねてきた慧くんに「もちろんだよ」と返事をすると、ふんわり微笑み言葉を続けた。
「この前偶然会ってさ、特別に許可を得たからちょっと入らない?」
「え…今から?」
「そう、今から」
なんの迷いもなくそう答えた慧くんに困惑する。
だって、今からって…
校舎は見るからに真っ暗なんだよ?
大丈夫なのかな?
ここ数年は出てないけど、暗所恐怖症の症状が出ないかと不安になる。
すると、そんなわたしの不安を読み取るかのように手を握られた。